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余計なひと言

誰かに何かを言われたとき

「このひと言が無ければいいのに」と思ったことはありませんか。

つい先日、一昨年パリのLV本店で買って未使用のまま温存している財布を久しぶりに確認してみました。ついでに最近輸入品が軒並み値上がりしていると聞いていたので公式サイトで価格を確認してみました。

すると当時、現地で免税価格で購入している価格からすると5割増しぐらいの差があることがわかりました。

なのでなんとなく嬉しくなってDにそのことを伝えたら、

「じゃあ今のうちに売ればいいのに。どうせ使わないんだから

わたしはその瞬間この人に言うべきではなかったと後悔しました。

いつもそうなのですが、この人は特にわたしに対して、ひと言多い人なのです。

この人の価値観からすれば使わない財布をただ寝かせておくのは勿体ない。という考えが先に立ち、わたしが綺麗なまま温存して満足している気持ちなど微塵も理解しようとしないのです。

それから数日後、同じ話を息子にしてみたら、

「それなら今メルカリで売ったほうがいいんじゃない」

と言われました。

2人の意見はニュアンスとしてはほぼ同じですよね。

でもわたしはDの言葉には腹を立て、息子の言葉にはそうかしら?と心が揺れました。

もちろん可愛い息子に言われたことなので何を言われても腹が立たないということもあるのですが、一見同じ趣旨のことを言ったとしても、そのひと言があるかないかで大きく違うと思いました。

多分わたしは、財布を売る売らないということより、、、Dがわたしに投げかけたどうせ使わないんだからという言葉にカチンときたのです。


全然スケールが違う話ですが、先日宇宙に行ったZOZOの創業者だった前澤氏のことを指して、テレ朝の玉川さんが「自分が興味ないってこともあって申し訳ないんだけど、金持ちの道楽見せられてもなって感じなんですけど」とバッサリ切り捨てたなんて出来事がありました。

玉川さんの個人的な意見は意見として、今回の前澤氏の出来事は大袈裟かもしれないですが、コロナ禍で萎縮した多くの国民の心に一筋の希望の光を灯してくれたと、わたしなりには思っていたのですが。

きっとこれが価値観の違いというものなのでしょう。

他人の目から見て一見無駄なことのように見えることの中にも、人によっては価値あるものになり得るのです。

わたしは前澤氏が、自分のお金で宇宙に行ったことの意義はそれなりに大きいと思っています。

藤井聡太さんや大谷翔平さんのような生まれつきの特別な才能に恵まれなかったとしても、起業して会社を大きくして上場すれば一発逆転が可能という今までとは違った夢のカタチを見せてくれたと思うのです。

そうたまたまですがこの3人にはある共通点があると思います。

とてもシンプルですがいつまでも少年のような心を持って、自分の好きなことややりたいことに向かって突き進んでいく気持ちです。

まあおそらく、うちのDも玉川さんも根っからの悪人の類ではないと思います。でもなんとなく彼らのコメントにイラッとしてしまうのは、、、余計なひと言が多いってことなんでしょうね。

金持ちの道楽、、、大いに結構じゃありませんか。ルネッサンスもフィレンツェのメディチ家の道楽あってこそ今なおその頃の栄華を感じることが出来るのです。

そうだ。また思い出しましたよ。わたしとDの最後の家族旅行となったイタリアでの出来事。

フィレンツェで今はマルカンティア宮殿と呼ばれている場所は以前GUCCIミュゼオでした。

そこに行った時に限定の財布を購入しましたが、Dがそんなところで買うのを許す筈もなかったので、次女がバイト代を貯めて買ったということにしてもらいました。

今でもその財布は一度スナップを修理して大切にしまってあります。

もしその財布を使わずにとっておいたらどれだけのプレミアがついていたのでしょうか。でもそんなことはどうでもいいんです。

そして今となってはもうDに期待しても無理なことはわかっています。

だけどせめて男が永遠の少年であるというのなら、女だって永遠に少女の頃の気持ちを待ち続けてもいいのではないでしょうか。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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