わが家の長女は昔からちょっと変わり者で、時々わたしには理解出来ない行動をするので、孫の子育てのことがきっかけで暫く疎遠になっていた時期もあった。いまは、、、ほどほどな距離感を保っていて、それなりにいい関係に落ち着いてきたかもしれない。
そんな娘が高校生の頃、友人の家にお邪魔してご飯をご馳走になったことがあったらしい。本人としては、出されたものは全部食べないと悪いと思ったので、きれいに平らげたのだが、後日その子から、「うちの〇〇(友人の母)が、△△(娘)のこと、ふてぇ野郎だと言ってたぞ」と言われたらしい。
なるほど。なんとなく分かる気がした。他所様のおうちに行って、出されたものをバクバク食べるって見方によれば、図々しいと取れなくもない。
もちろんそのお母様は、娘のことを非難するつもりで言っていないことは文脈で分かるけれど、でもそうやってちょっと言いづらいことをはっきり言ってくれる人ってある意味有り難い存在だなと思った。
そのお母様、なかなかユニークなエピソードの持ち主で、、、若くして旦那さまがある日突然失踪してしまい、その後はずっと女手ひとつで、2人の子供を育てあげたという。
娘の友人はとても優秀で、もちろん塾にも通わず、地元の公立高校から県内の公立大に行き、その大学を首席で卒業し、今は某政令指定都市の職員。
高校時代、美術の先生から、「あなたに教えることは何もない」と言われるぐらい絵の才能に恵まれているが、公務員は副業を認められていないので残念ながら個展を開くことは出来ないのだが、学生時代にはその絵が売れたというからその実力は折り紙つきなのだ。
なのでよく表彰状を貰ったりしていたが、そのお母様、、、それを半分に折って、すぐ押し入れに閉まって取り立てて褒めることもしなかったのだとか。
それが良いのか悪いのかは判断に迷うところだけれど、少なくともそういう親は今どきよくありがちな、、、子供の学歴や職業や年収を自慢げにひけらかすようなことはしないだろう。
そんなある意味達観した視点で、何も臆することなく、わたしの娘を「ふてぇ野郎だ」とたったひとことで言い表した。
うーん、たしかに。娘は「ふてぇ野郎」に違いない。もう、そんな娘も今年で3〇で一児の母だ。多少は常識も持ち合わせていると信じたい。
その話を聞いた時、わたしは若干ショックだった。
他所様の家で、「ふてぇ野郎だ」と言われるほどの食欲を見せるなんて、、、「この子の家では普段碌なもの食べさせ貰ってないのかしら?」なんて思われたんじゃないかとか。
もしそう思われたとしたら、むしろそっちのほうが恥ずかしいではないか。
それにしても、Nちゃんママナイスよ♪まだ一度もお会いしたことないけれど、きっと”大きな人“だと思う。
わたしもそんな人になりたい。
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