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【名建築で昼食を 大阪編】〈神戸女学院大学 〉美しい心を育むための品格ある建築

わたし的に今年1番といってもいいぐらいのこのドラマも残すところあと1話になってしまいました。

そして先日放送された神戸女学院大学の建物があまりに美しすぎてそのことをお伝えしなければと思いました。

少し話はそれますが、近頃のSNSは炎上狙いなのか、あえて反感をかうような投稿や、お世辞にも美しいとはいえない出来損ないの料理の画像を載せる方々がいらっしゃいます。料理に関しては必ずしも美しく整っていることはなくとも、少なくとも美味しく見える画像をみたいです。

またそんな美しくもない画像をみて、美味しそうとか素敵とかコメントする人の見識も疑われてしまいますので、何かしら記事として載せる以上はそれなりの画像を載せて頂きたいなどと思ったりしています。


ふとそんな思いが湧いてきたのも、これから紹介する神戸女学院の建物があまりにも美しいからかもしれません。

もともと神戸の諏訪山にあった神戸女学院ですが、1933年に現在の西宮の岡田山に移転するのを機にアメリカの建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズによって建てられました。

建築様式は、スパニッシュ・ミッションスタイルで統一されていて、一つ一つの建物ごとにデザインが異なっています。

スパニッシュ・ミッションスタイルは、スペイン南部アンダルシア地方で発祥した建築といわれています。この様式はスペイン人によってアメリカに最も早く伝えられたコロニアル様式のひとつで、アメリカ先住民族の建築様式を取り入れ独自の発展を遂げました。

そういえば先日お伝えした船場ビルディングの建物もアンダルシアの建築様式が取り入れられていました。

この神戸女学院岡田山キャンパスの12棟の建物は国の重要文化財に指定されています。正式名称は「重要文化財 神戸女学院」です。

今回の指定は個別の建物ではなく、キャンパスのほぼ全体(ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計によるオリジナル建築物の全て)が指定の対象になっているところに特徴があります。

神戸女学院大学外観

ヴォーリズ設計による神戸女学院の校舎群は、彼の代表的な建築であり、第二次世界大戦と阪神淡路大震災という二つの大禍をくぐり抜けて、ほぼオリジナルな原型を保ちながら、今なお神戸女学院の教育のための器として、大切に使用されています。

中庭を囲むように、正確に東西南北に図書館本館、総務館、文学館、理学館が配置されていて4棟の建物は回廊でぐるっと繋がれています。

中庭の噴水は四つ葉のクローバーをモチーフに

この大学の校章は三つ葉のクローバーがモチーフになっているので建物を探訪する時にクローバー探しをしても面白いかもしれません。

こちらの総務館入り口付近のステンドグラスの模様も三つ葉のクローバーです。

総務館入り口

図書館壁面北側のアーチ状の窓は、直射日光が本に当たらないように計算され、なおかつ季節が変わっても十分に光が差し込むように設計されています。

図書館

講堂の正面には、半円形のプロセニアム・アーチのある舞台があります。ホール内の天井は吹き抜けで、後部に2階席も。

講堂

講堂内がゆるやかな坂道になっているのは、元からの地形を生かしているため。地形を生かして活用するのも、ヴォーリズ建築の特徴の一つです。

このアーチ型の建物の映像をみて、わたしはスペイン・アンダルシアのメスキータを思い浮かべました。

こちらはイスラム建築のモスクなのですが、趣きは違ってもスペイン様式が色濃く反映されているのが感じられます。ここもわたしが行ってみたい場所のひとつです。

憧れのメスキータ

そして異文化の融合、多様性の尊重という意味でいうなら、この美しい建築群を包み込む色とりどりの屋根瓦もまた圧巻の美しさです。当時の技術では同じ色を揃えるのが難しかったのでこのような配置になったのだとか。そういう意味でこれは偶然の産物と言えるのかもしれません。

“違うものが集まることで不思議な調和が生まれてより美しくなる“そんなことを考えさせられますね。

いかがでしたか?こちらもまだ伺ったことがなくいつか自分が訪れる時のために調べたことをまとめてみました。


最後に。

ヴォーリズが目指したのは、「美しい心を育むための品格ある建築」ということでしたが、確かに建物の細部ひとつひとつに彼の思いが込められているのを感じました。

わたしは、ごく普通の国立大のさしたる特徴もない建物内を行き来するだけで、当時のキャンパスの建物を立ち止まってみる心の余裕など全くありませんでした。なのでこんなステキなキャンパスで学ぶことが出来る学生さんたちがとても羨ましいです。

そしてこちらの建築、ここに通う学生さんだけでなく、年に数回一般にも公開されているということなので、機会があれば1度訪れてみたいと思いました。

次回最終回は、大阪のシンボルとも言われている、、、ネオルネッサンス様式の美しい外観をもつ大阪市中央公会堂が登場します。とても楽しみな反面、これでこの番組も見納めかと思うと今から寂しくて仕方ありません。

そして今日の「鎌倉殿の13人」“武士の鑑“。あの二俣川で、、、畠山重忠の最後の勇姿が。こちらも興味のある方は是非ご覧ください。

もちろん現在台風でそれどころではない方もいらっしゃるとは思いますが、再放送やTVerなど動画配信もありますからみなさまのご都合のよろしい時に。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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