わたしはまだ一度も生で落語を観たことがない。
それでも「芝浜」や「死神」ぐらいは知っている。TVでは何度かいろいろな噺家さんの語りをみたことがあって、同じ話でも、同じ話だからこそ、その方の個性や力量で全く違う趣があることに気づかされた。
今日はたまたま相棒を見ていたら、著名な師匠が死神のオチを利用して殺されてしまう事件だった。そういえばオープニングも、右京さんの死神のオチだったか。
今年に入ってからコロナ禍の影響なのか、相棒の脚本が初期の頃のテイストに戻ってきているように感じる。
前回は久しぶりに殺人事件もなかったし、今回は明らかにオリエント急行からヒントを得ていることが分かった。
ただ今回はもう少しわかりやすい動機にしてくれたらよかった。ただ師匠の晩節を汚したくないというだけの理由で弟子たちが、ひとりの名人を亡き者にすることが正当化されるはずもない。
最近、中村芝翫の二度目の不倫話もあったばかりで、、、そして、あの渡部建の一件もまだ記憶に新しい。
わたしも不倫を肯定するつもりは全くない。しかし、芸能人の場合、プライベートではなく、その人の仕事を観ればいいと思っている。
ドラマで殺された名人は、酷いセクハラ爺さんの設定だった。もちろんそのセクハラは断罪されるべきであるが、それはそれ。
彼の芸が素晴らしいなら、観客はそれだけを評価すればいいのではないか。
不倫もセクハラも薬も、全く擁護出来るものではないが、偉大な芸術家の方々の中にはかなり常識から逸脱している方が見受けられるのも古今東西お約束である。
とまあ、相棒の死神噺から、話が飛躍しすぎの感もあるが、、、教養として落語の世界に触れることは確実に人生を豊かにしてくれるに違いない。
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