14日、今日も日本株は相変わらず冴えない。これは特別何か理由があるというより、みんなが欲しいと思うような株の最低売買代金が高すぎることも影響していると思う。
たとえばキーエンスという株。14日15時時点の終値でいうと、¥6,216,000が最低売買代金である。
しかもこれは本日3%以上も値下がりした金額なので、既にこの株を持っている人は1日で¥200,000以上の含み損を抱えてしまっていることになる。
いまわたしの素人考えだと、高配当でしかも業績もいい船株などにも魅力を感じるけれど、これらの株価も既にかなり高水準になっていて、暴落するリスクを考えると手を出しにくい。
いま日本の市場に参加しているのは、機関投資家、個人投資家もそれなりの資金を持っている方々ばかり。
でも市場はそういう一部の限られた人たちだけで回していたのでは活性化しないのではないだろうか。
わたしが米国株を始めたのはS&P500を運用した投資信託を楽天ポイントで購入したことがきっかけだった。
投資信託は今各社競って販促に力を入れていてポイントを使って購入出来るようになっている。ゆえにそのハードルは極めて低く設定されている。
そこから自然とハードルが上がっていき、1株から誰もが知る有名企業の株を買える米国株の面白さにハマっていったのだ。
ただ最近少し心配していたのも事実。若者や今まで日本株メインで投資をしてきた方々までこぞって米国株投資に参入してきたからである。
皆さんは靴磨きの少年の話を知っているだろうか?この話は株式市場が天井に近い状態を知らせる話としてわりと有名な話。
ジョセフ・P・ケネディ氏(米国大統領ジョン・F・ケネディの父親)が、靴磨きの少年に靴を磨いてもらった後、靴磨きの少年から「〇〇の株は上がるよ」「〇〇買えば儲かるよ」と言った話を聞き、保有している銘柄を売却したことで、大恐慌の始まりである「暗黒の木曜日」を避けることができた。
実際これが実話だったかどうかは定かではないらしいが、この話が多くの教訓を含んでいることは間違いない。
この話のポイントは、投資を行えるほどの資金や知識を持っているはずのない人が株式投資の話をし出したという点。
もしかすると少年は常連客達の株は儲かるという世間話を間に受けていただけかもしれませんが、こういった思い込みや楽観的な空気が時に大きな危険を孕んでいることを頭脳明晰なケネディ氏が察知したとしてもおかしくはない。
ということで今年年明けからあえて日本のバリュー株を買うのもアリかな?と思い米国株の比率を減らし様子見している。
14日の日経の下げの後の米国市場。こちらのプレの雰囲気は最悪。ここで何かを買い増すのがいいのかどうなのか悩んでいる間に寝てしまった。
そして目が覚めたらNASDAQ、S&P500ともにまさかのプラス引け。ただしこれまでの下げからするとほんの微々たる戻しにすぎない。
まるで薄氷の上を漂っているような心もとない感覚。
さて何はともあれ今週の相場は終わり米国市場は月曜は祝日で休場。
日経さん頑張ってくださいと祈るばかりなのである。
などと暗いトーンで終わるのは嫌だと思っていたら、ふとある本の題名が頭に浮かんできました。
ラオスにいったい何があるというんですか?
という村上春樹氏の紀行文です。
世界中に多くのファンがいる村上さんの小説ですが実はわたしはちょっと苦手。おそらくわたしが元々ネガティブ体質なので彼の作品を読んでいると更にどツボにハマるのが分かるから。
しかし彼の紀行文は全く違います。実に愉快で、わたしもこんな旅をしてみたいと思わせるようなエピソードが満載です。
特にこの本の題名になったラオスへの旅のはじまりの一節が好きです。
さて、いったい何がラオスにあるというのか?良い質問だ。たぶん。でもそんなことを訊かれても、僕には答えようがない。だって、その何かを探すために、これからラオスまで行こうとしているわけなのだから。それがそもそも、旅行というものではないか。
大いなるメコン川の畔で
旅と投資は似ている。旅行会社が企画した旅やインデックスへの投資なら比較的安全が約束されているだろう。もちろんそういう旅もあったほうがいい。一度も海外旅行したことのない人がいきなり個人旅行するのはいろいろな意味でリスクがつきまとうから。
しかし何度か旅するうちに段々それだけでは飽き足らなくなる。
旅行会社が用意した大型バスではなく、その国の公共交通機関を使ってドキドキしながら移動してみたくなる。
たまに間違えて途中下車してしまうことや全く反対方向に進んでしまうこともある。
でもそういった何もかもが旅の面白さでそういう思い出は一生記憶に残る宝物になってくれる。
おそらく投資も同じだ。何度同じ株を買ってもその時々で上に行ったり下に行ったり100%確実なんてありはしない。でも自分の身銭を切って得た経験は必ず自分の心に刻みつけられる。
いまわたしがこの株を選んだのはたまたま偶然だったかもしれないけれど、あとになってみれば全てなんらかの意味を持っていたと気づくこともある。
さてあなたはどうして投資をするのですか?と聞かれたらわたしはどう答えるだろう。
うまく言い表わせないけれどその筋書きのないドラマを体験してみたいからとでも言ったらいいのだろうか。
年齢的にもう無理かもしれないが、一度バンジージャンプをしてみたかったことに通じるものがあるかもしれない。
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