自ら警察に相談するほどのストーカー被害に遭っているとか、シェルターに駆け込むほど配偶者からの酷いDVに苦しめられているとか…極めて具体的な状況を目の当たりにしない限り、他人から『わたし、誰それに監視されているの』なんて言われて即座に『はい、そうですか』と信じることが出来るでしょうか。
正直言ってわたしは疑ってしまいますが、だからといってそんなわたしを“心の冷たい人“と非難する人がいたとしても、やはりそう易々と信じることは出来ません。
それよりむしろ、この人大丈夫かしら?と、失礼ながら“ある種の病気“を疑ってしまうかもしれません。もちろんわたしは医師免許を持っている訳ではないので、『あなたは〇〇だから、受診されてみてはいかがでしょう』などと軽々しく言うつもりはありません。
しかし以前、半年ほどですが、日本で一番権威のある国立の精神医療機関で自身の“うつ病“を疑って検査を受け、結果“うつ病“ではなく“一時的なうつ的状態である“と診断され、向精神薬ではなく漢方薬を処方されるに至った経験を鑑みると、おそらく本当に精神病になってしまったら、自分で自分をコントロール出来る範疇を超えてしまっているから、それと言えるのだということを実感しました。
最近、ある人が『わたしは近所の人に監視されている』などと自らのコミュニティ内で語っている場面に遭遇してしまって、なんと言葉をかけていいやらとはたと考えこんでしまったことがありました。
まあ、それだけなら、その方だけのお話なので、あえてそのことに触れなければ済む話だったのですが、ここにきて、わたしがブログに書いたことがその方のお気に召さなかったようでして、とうとう昨日は、あたかもわたしがその方の言動を、“見張って、チェックしている人“と捉えられていることを知りました。
きっとその方、ご自身の価値観を否定されたと受け取ったのでしょう。しかし、そうは言われてもメンタルのことなんて専門家でも難しいテーマなのに、言わんや素人のわたしごときが、こんな弱小ブログに書いてることまで、チェックされ、コメントされ、さらに畳みかけるようなことを言われても、はっきり言ってウザいのひと言です。
ところで日本では「 治療 」と言う用語は「医師が患者の症状に対して行う行為」のみを指しておりまして、 医師以外の施術者が患者の症状を快癒させても「治療した」とは認められません。 ですから「医師による行為」が治療であり、柔道整復師等が行う行為は「 施術 」と分けられています。
そもそも“医師免許や臨床心理士などの国家資格“を所持するでもなく、民間の認定資格を取得した程度の“自称カウンセラー“さんのメンタルケアってどれほどの信用に値するものなんでしょうか。
人って何かを見極める時に、何かしら目安を必要としますよね。就活とかその最たるもので、表面的には否定されてますが、学歴フィルターは厳然として存在するし、それに加えて資格や、職種によってはTOEICやTOEFLのスコアが必要だったり。
それと同様に、もし自分が心の病に蝕まれたとしたら、とりあえずは、精神科や心療内科で医師の診断を仰ぐのが先決でしょう。だって、少なくとも彼らは、大学・大学院・インターンを経て多くの専門知識を学び実習や経験を重ねてきたスペシャリストなのですから。
でも、ヤブ医者だっているよねーと思う方もいるかもしれませんが、だからと言って民間療法がイイとはならないですよね。
ところで、“監視されている気がするという症状“って…ググってみると『統合失調症の注察妄想や被害妄想などの特徴的な症状』なんですって。
この中の注察妄想とは…窓からのぞかれている、パソコンのカメラを通じて見られている、監視されているなど、自分に注目が集まっていると信じ込む症状のことを指すのだそう。
なるほど。まだわたしが若かった頃(20代の妊婦)、今の家の改築中に一時的に近所の平屋を借りて住んでいたことがありました。その時、夜中に覗きの被害に遭って、心底怖い思いをして、警察に通報したことがあります。これは事実なので、妄想には当たらないと思うのですが、この時住んでいたのが借家で、その数ヶ月後には本来の家に戻ったからよかったですが、そうでなかったら、今こんなふうに呑気に暮らしてられなかったかもしれません。
なのでこれはある意味わたしがラッキーなだけかもしれませんが、そのあとそういった被害に遭うことはありませんでした。そして今は、もうおばさんなんで、誰も覗こうなんて思わないですよね(^^)
だからおそらく、“監視されている気がする“のほとんどは、その人の思い過ごしなんじゃないかと思っています。そして、わたしが今ここで書いていることも、単なる一般論でしかないので、『それはあなたの価値観の押しつけでしょ』とか、ひと昔前に一世を風靡した『それってあなたの感想ですよね』なんて言わないでくださいね。
そしてこれはわたしの個人的な感想ですが、カウンセリングを受けるなら然るべき機関で受けるのが無難だということ。わたしの主治医の先生は、某有名事件の犯人の精神鑑定などにも携わっていためちゃくちゃ凄い人でした。そう、そんな凄い人でしたが、全く押し付けがましくもなく、え?こんなお若いのにっていうような見てくれの方でした。
でもこの方は、相当な修羅場を潜り抜けてきたのは間違いないのですから、やはり御多分に洩れず、“出来る人“っていうのは、いつも泰然として自然体なんだろうなと思ったものです。
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