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コスパ嫌いで、無駄が好き

いつの頃からか、コスパが嫌いになった。

嫌いというより、コスパという極めて一面的でしかない指標を‘もてはやす風潮‘が鼻につくというほうが正確かもしれない。

どうせコストをかけるなら、それに見合った、もしくはそれ以上のパフォーマンスをしてくれるほうがいい。それはそう、誰だってそう思うだろう。だから、プチプラや100均のような、コスパ至上主義な消費者向けのものがよく売れるのだ。

ところで先日、とあるカード会社の顧客向けの無料招待バスツアーに鉄子を誘って参加してきた。

いわゆる無料で釣って高額な商品(ジュエリー、布団、毛皮など)を買わせるというちょっと怪しげなツアーなのだが…わたしたち、過去に国内のこの手の日帰りツアーに参加したことがなかったので怖いものみたさで(笑)

詳細は割愛するが、同伴者分9千円(1人は無料)を支払い実質1人4.5千円で、山梨までバス移動、ほうとうとせいろ蒸しメインの食事、いちご狩り、ハーブ庭園で散策、シャトー勝沼でワインの試飲などなかなか盛りだくさんの内容だった。

その際ガイドさんが教えてくれたのが、いちご狩りの場合、‘60個‘は食べないと元が取れないらしい。この日はほうとう御膳のあとのいちご狩りだったので、気持ち悪くなる一歩手前まで食べたが、わたしは30個ぐらいしか食べられなかった。鉄子は頑張って60個以上食べていたけれど(笑)

いちご狩り

でもここでわたしは元を取れなくて残念などとは思わなかった。このあとワインの試飲も控えていたし、移動中のバスでお腹が痛くなったりしたら元も子もない。

そもそもわたしが鉄子をこのツアーに誘ったのは、いつも旅行で運転をしてくれていて、ワイナリーに寄っても試飲が出来ない彼女へのせめてもの罪滅ぼしのような意味合いもある。

ついでに、ひとり参加だと高額商品を買わせようとするセールストークの洗礼を回避するのが若干面倒になるからだ(笑)

今回参加費用はきょうさんが全額負担したので、きっとコスパ的にはそれほど良くないかもしれないが、いつも運転手をしてくれる鉄子がエンジョイしてくれて、ついでに高額商品を売ろうとする巧みな話術を駆使するセールスマンや、その術中にハマってしまうとか、車内販売や立ち寄り先で必ず何かを買ってしまうなど、わたしたちとは明らかに違うタイプの人たちの人間観察が出来て大変有意義だった。


コスパという単語をよく使う人、皆さんの周りにも結構いらっしゃると思う。こういう人ってとにかく無駄を敬遠して最短経路、最適解を求めたがる。

しかしながら、わたし個人としては、むしろ何事においても無駄を経験するべきだと考えているため、あんまり‘コスパコスパ‘言ってる人を見るとちょっとイラッとしてしまう。

『なぜそんな非効率的なことを』と思われるかもしれないが、無駄なことを沢山経験している人のほうが明らかに人間として面白みがあるもの。

きょうさん…ブラウン管の時代からモニターの向こう側にいるアイドルに熱狂しコンサートに出掛けたり、ドラマにハマってその中で見つけた超絶カッコいい俳優さんの出演する舞台のチケット争奪戦に参加したり、スラムダンクの井上雄彦さんに傾倒して、彼の他の作品を読み漁り、はては原画展に行ってみたり、子どもたちのポケモン好きに感化され、ポケモン工芸展を観る為に金沢まで足を伸ばしたり、ママ友とスペインに行こうと思ったついでに、『世界一予約の取れないレストラン』のオーナーシェフだった人の弟さんが経営するお店の予約をオンラインでしてみたり、世界遺産になっている劇場でフラメンコのショーを鑑賞したり、NYのブロードウェイのホテルに泊まって、ミュージカル・Catsを観たそのあとに、ジャズバーでお酒とツマミを愉しんだり、ニューヨーク近代美術館で意味不明なアートに触れてみたり…。

statue of liberty

カルチャーやサブカルチャーなど食わず嫌いとは無縁の立ち位置で、いろいろ手を出してきた自分自身の経験を踏まえて考えてみると、誰もが知る有名店や名作しかつまんでこなかった人の話はとても薄っぺらい。

その作品のことを語らせた時に、さまざまな無駄を経験してきた人の感想にはその人の独自の視点や発想が見て取れ、時にははっとさせられることもある。一方話題性だけを効率よく追いかけてきた人は『面白かった』『驚いた』『美味しかった』『楽しかった』『癒された』など、ありきたりな感想で済まされてしまいがち。

映像作品だと最近はNetflixやAmazon primeやWOWOWなど様々な作品が見まくれるのでとにかく『名作』と呼ばれるものを選んでしまいがち。でも、たまに話題性だけで観て、微妙な作品や、これはどうみても駄作だなんて作品をみた後に「ここはこうすれば良かったのに」とか「この部分は納得できない」など不満を持ったりするその過程で自分の中の価値基準をつくりあげていくことになる。

とはいえ、過去にあったあらゆる作品や物事については既にある程度評価がされている訳で、わざわざ見る価値がないと烙印を押されているものまでカバーするのは流石に労力と時間が掛かりすぎるというもの。

だが、最新の現在進行形で進んでいるコトは未だに評価が確定していない。これらの良し悪しや、わたし個人の評価などはこれからわかる事。

なのでわたしたちは、何か自分の趣味だったり仕事だったりに関して薄っぺらい人にならないように、とりあえず最新のものをキャッチアップし続ける心構えでいたほうがいい。

そして今、自分が無駄と感じている物事があるのならば、どの部分に無駄を感じるのかしっかり言語化した方がいい。

無駄を経験して、しっかり何らかの形で昇華することによって、わたしたちは少しだけコスパのいい選択ができるようになる。

それがたとえば、普通敬遠しがちな無料ツアーの当選のお誘いだったとしても、これらはどこで採算を取っているのかとか、どんな手法でカモになる人の購買意欲を掻き立てるのかとか、何事も『虎穴に入らずんば虎子を得ず』ではないが、大きな気付きを得るためには、時には思い切って冒険をしてもいいんじゃないかと思える。

きっとめちゃくちゃ賢いコスパ厨の方々からすれば、「そんなの最初から分かっているよ」などと笑われるかもしれないが、泥臭い経験や大小様々な無駄の中にこそ、案外『幸せ』を感じられることだってある。

今回のツアーで最後に立ち寄った老舗ワイナリー「シャトー勝沼」の敷地内にあるパン工房鳥居平

こちらのクリームパン、なんとクリームが後詰め。店頭に並んだ「クリームパン」と書かれたパンをレジに持って会計を済ませると、その場で店員さんがパンにクリームを詰めてくれる。

カスタードクリームと生クリームをミックスしたふわふわのクリームと、ふかふかのパンのハーモニーは絶品。クリームパンの中身のクリームは、バリエーションが2種類。ひとつはプレーン、もうひとつは季節ごとに変わるフルーツクリーム。春はももクリーム、夏はレモンマスカルポーネ、秋はブルーベリー、そして冬はいちごのクリームと春夏秋冬楽しめるのだとか。

今回は、プレーンといちごクリーム。定番のクリームもかなり美味しかったが、いちごはつぶつぶ感があってさらに旨さが倍増(*´ω`*)

スイーツ女子の鉄子も知らなかったらしいが、このクリームパンを食べる為にまた勝沼に来てもいいと思えるぐらい、ふわふわだがしっかり弾力もあるパンと甘さ控えめふわふわクリームの相性もバッチリ。これはきっとクリーム好きなら天にも昇るほどの美味しさなのではないだろうか。興味のある方は是非ご賞味あれ!!

きょうさんたちの初めての国内日帰りバスツアーは、このクリームパンによって無事素晴らしいフィナーレを迎えることが出来た。

わたしは人生で直面する数多くの選択において、損得で判断出来ることなんて、実はそんなに多くないと思っている。だから今は、コスパにはそれほど興味がない。

それよりもコストに対してどれだけわたしが幸せになれるかが重要だと思っている。

そういう意味で初めてのバスツアーは十分すぎるくらいわたしたちを幸せにしてくれたと思う。

そういえば、同じバスに乗り合わせた方で、あの何十万もする磁気ネックレスを購入された方も多数いらっしゃったようだ。わたしたち庶民からすると、それは一見あり得ないことのように感じられるけれど金銭感覚も人それぞれだし、その人が納得して購入し、幸せを感じられたのなら何も問題はないのだ。そしてそこに偶々居合わせたわたしたちは、その方々のお陰で執拗なセールスに遭うこともなく、終始和やかに過ごすことが出来た。

そういう観点でいうと、この日は好天にも恵まれ、当分食べなくてもいいぐらいたくさん苺も食べて、最後に美味しいワインの試飲を沢山して、絶品クリームパンに出会えて、かなりパーフェクトに近い1日だったかもしれない。

今庭に出ると、3月2日の撮影時にはこんなふうに普通に咲いていた葉牡丹が、

3/2の葉牡丹

いつのまにか‘とうがたった状態‘になっていた。葉牡丹はアブラナ科の植物だが、キャベツのように食用にしたら食べられたものではないが、これは観賞用なので、これはこれでひとつの寄せ植えとしてより立体感が出てカッコイイ。

5/13の葉牡丹

もしこれをもう季節が過ぎたからといって撤去してしまっていたら…目先の損得だけで物事を見ていたとしたら、この美しい姿を見ることは出来なかっただろう。

よって、これからもたまに時間を無駄遣いして、ここにそんな体験を綴っていけたらと思った。

それではまた。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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