ふつう旅をしようと思ったとき、行先を決めてから宿を決めるが、その順序を真逆にして、ホテルを決めてから周辺を開拓してみるのも楽しい。
今回ママ友との旅がまさにそれで、以前開業したてのハイアットリージェンシー横浜に宿泊を検討してみたものの、当時わたしが勤めていた職場からあまりにも近すぎたことと、開業したてのホテルあるあるで、オペレーションに不慣れなスタッフの対応に余計なストレスを感じてしまうリスクを考え宿泊を見送った経緯があった。
しかし最近になって改めて某ホテル予約サイト横浜地区のランキングで安定して高い評価を得ていることを知り、少し早めの忘年会も兼ねてここに泊まることに。
ホテルステイって実は楽しみ方がとても豊富。ラグジュアリーホテルには客室以外にも、プール、サウナ、バーラウンジ、エステやスパ、ジムなどが併設されており、一日中いても飽きないつくりになっている。
この部分が今までのホテル概念を覆し、“ただ寝るだけの場所“から、“暮らすようにすごせる場所“へと変化してきている。
そして一流ホテルに欠かせないのは、やはり一流のホスピタリティ。
実は今回、チェックインの前に先に寄りたい場所があった。しかし、前日ママ友に外せない用事が入り、当日は午後からの出発に予定が変更になった為、翌日チェックアウト時の天候次第で決めようということになった。
その場所とは…国の名勝にも指定されている三溪園。
今だから言えるが、そんな不測の事態があって当日彼女が出掛けられるか否かも心配だったので、ラウンジでチェックインの手続き、お部屋でひと息ついて、イブニングカクテルの途中から、それまでの緊張感から解放された反動でどっと疲れが出てしまい急に具合が悪くなってしまったのだ。
まあそれでもなんとか乗り切れたのは、機能的で快適な空間と寝心地の良いベットのおかげ。バスタブも適度に深さがあり、シャワーの水圧も程よい感じ。これって当たり前のようでいて、実は当たり前ではない。つまり何らストレスを感じないということは、非日常でありながらどこかわが家で暮らしているかのような癒しの要素も兼ね備えているということ。
そして、チェックアウト時に声を掛けたコンシェルジュのホスピタリティ溢れる対応が素晴らしかった。
一応大雑把には分かっていたので確認のつもりで、三溪園行きのバス停の位置を尋ねると、『少々お待ちください』と言いながらその場で時刻表とルートを示した紙を出力してくださった。
そして本当に素敵な笑顔で
『行ってらっしゃいませ』と見送っていただいた。
もしかすると、こういったラグジュアリーホテルならば、そのままタクシーに乗って出掛けるほうがスマートなのかもしれないが、そこは、わたしの好みの問題で、旅先では出来るだけその土地の公共交通機関を使って移動したいのだ。
というのもただdoor-to-doorで行くより、途中いろいろなところで止まり、その都度人が乗ってきたり、降りて行ったりする中で、『いま自分たちは、それほど先を急ぐ必要もなく旅をしている』…そんな時間そのものを心から愉しんでいるのだ。
しかしそんな勝手気ままなわたしたちの何気ないひと言に、ちゃんと耳を傾けてくれるばかりか、期待以上の心遣いをしてくれたコンシェルジュさんがいた。
それこそが一流ホテルに泊まる意味なのかなと思う。
そしてわたしもまたいつか、
『ただいま』
と帰ってこれるような自分になれるように成長しなければと思う。
さて、次こそは素敵な庭園をご案内しなければ。
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