コロナ禍の中、日本ではそれほど大きくは取り上げられていないが、世界中の航空会社が壊滅的なダメージを受けている。そんな中、日本でも比較的馴染み深いタイ航空が経営破綻した。以前から経営不振が取り沙汰されており、コロナが追い打ちをかけた格好だ。
そう言えば以前は家族や友人と何度かバンコクに行ったこともあったが最近はすっかり足が遠のいていた。理由のひとつは、タイの物価が上がったことで、お得感が減少してしまったことだろう。それだけ日本の円の価値が下がってしまったとも言える。
そうなると、多少物価高でも、私の好きな歴史的建造物や美術品、時間が許すなら本場で観劇を楽しんだほうが有意義に思えるのでこのところすっかり欧州に目が向いてしまっていた。
とは言えタイ航空破綻のニュースは同じスターアライアンスに加盟するANAにも少なからず影響を与えるだろう。今後の航空事情を考えてみても厳しい時代に突入したと言わざるを得ない。
しかし、厳しいことは分かっているけれど、そろそろ旅人はどこかに出掛けたくてうずうずしている。
私は麻雀好きではないので黒川さんの気持ちは理解出来ないけれど、何かしら趣味があってそれを出来ない状況になっている人の苦しみは痛いほど理解できる。とにかくどこでもいい、外の空気を吸いたい。
先日セカホシを観ていたら、以前放送されて反響の大きかった回の登場人物の現在のおうち時間が紹介されていた。
私はとりわけ北欧の生活様式に憧れを抱いている。
デンマーク語の”HYGEE”(ヒュッゲ)という言葉をご存知だろうか?これは、かの国の人たちがとても大切にしている、時間の過ごし方や心の持ち方を表す言葉。
日本語ではそれにぴったりと当てはまる適当な言葉が見つからないのだが、家族や大切な人たちとすごす心地よい時間だったり、そんな時間を作り出すことによって自然と生まれる幸福感や充実感、今ある暮らしを楽しむ姿勢と言ったところか。
番組では以前、独創的な照明を使って生活を楽しむデザイナーとアーティストのご夫婦の話が取り上げられていた。現在その方々は、スウェーデンの野原の真ん中のサマーハウスで暮らし、全く人に会わない生活をしているとのこと。
北欧の夏は短い。だからその貴重な太陽の光を出来るだけ楽しめるよう、透明なドームの中ですごすのだという。
もちろん日本にいてはなかなか実現出来る話ではないけど、それこそ一生に一度体験してみたい暮らしぶりだった。
今は国内の移動もままならないけれど、必ず終わりは来るから、その時のためにもたくさんの思いを蓄えていきたい。
旅に出たい。今すぐは無理だけど。
しかし本当は、どこかにいきたいと思った瞬間から旅は始まっていて、むしろ現地に足を踏み入れた瞬間には、終わりが近づいているとも言えるのだ。
今は想像の世界の中で大きく息を吸い込んで、助走している時間。
いつかまた必ず遠くへ飛んで行けると信じよう。
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